頭部外傷は「一次性損傷」と「二次性損傷」に分類されます。
    「一次性損傷」は直接外部から傷害を受けるもので、一番身近なもので言うと「たんこぶ」です。
     
    「二次性損傷」は一次性損傷から脳組織の圧迫などによって起こる損傷です。
     
    「なんだか、難しそう💦」と読み進めていくのをストップしてしまいそうですよね。
     

    でも、ちょっと待って!

     

    なるべく分かりやすく紹介していきたいと思いますので、「二次性損傷」について読み進めてみて下さいね。

     
    「一次性損傷」について詳しくは、こちらで紹介しています!

    【頭部外傷の基礎知識Ⅱ】一次性脳損傷(頭蓋骨骨折・脳挫傷・血腫など)の症状・治療・予後
    2017.10.9
    頭を打って「たんこぶ」ができた!なんて経験はありませんか?   誰だって一度くらいありますよね。   誰もが、そのくらいの経験はしますが、「頭部外傷」っていう言葉になるとあまり身近でない感じが…

    二次性損傷とは…

    たとえば、骨折により出血し、出血のために脳虚血になったとします。
    そのような場合で、「血腫が神経を圧迫している」などの症状がでたときは二次性損傷です。
     

     

    脳ヘルニア

    脳ヘルニアとは…


     
    頭部外傷によって、頭蓋骨よりも内側(頭蓋内)に血腫脳のむくみ(脳浮腫(のうふしゅ))がおこります。
     
    そうなると、脳はかたい頭蓋骨で囲まれていて、余計なスペースがないため、頭蓋内の圧が高まって(頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん))しまいます。
     
    その結果、軟らかい脳はすきまに向かって押し出されてしまうのです💦
     
    そのような状態を「脳ヘルニア」といいます。
      
    押し出された脳は深部にある生命維持中枢(脳幹(のうかん))を圧迫してしまい、呼吸や心臓の機能をそこなう恐れがあります。

    なので、早期の診断・治療が重要となってくるのです。

    脳ヘルニアの症状の現れ方

    初期症状は意識障害瞳孔(どうこう)の異常です。

    瞳孔不同(どうこうふどう)…一般的には、脳に障害のある側の瞳孔が開きます。
    対光反射消失…光に対する瞳孔収縮の反応が失われます。
    などが現れます。
     
    ↓  進行すると
    ・呼吸が不規則で遅くなります(この前に異常に速い呼吸になることもあります。)
    ・瞳孔の異常は両側になります
    除脳硬直(じょのうこうちょく:痛み刺激で手足を突っ張る姿勢を示したりすること)もあります。
    ↓  さらに進行
     
    呼吸が止まります。呼吸が停止したもっとも重症な例では、治療を行っても救命の可能性は低くなります。
     

     
    脈が乱れ、血圧が下がります。
     

     
    死にいたります。
     

    脳ヘルニアの検査と診断

    意識、瞳孔(および除脳硬直など)の臨床症状から診断します。
    もう一つは、原因の診断のため、頭部CTが必要となってきます。
     
    急性のものでは、画像上では脳ヘルニアが確認しづらいものもありますが、症状が目立ってくると致命的です。
    そのため、脳ヘルニアをうたがったら、画像での確認が困難な場合でも、早急に治療をおこなう必要があります。
     
    一方、慢性の場合は、画像上ではわかりやすいのですが、症状はあまり見られません。
     
    脳ヘルニアを示すCTの所見

     
    ・正常では左右対称の脳の構造が圧迫のためゆがんで見えたる(正中構造の偏位)
    ・頭蓋内圧亢進のため脳脊髄液(のうせきずいえき)が満たされている脳のすきま(脳室や脳槽(のうそう))が圧迫されたり、あるいは消えてなくなる。

    治療方法


     
    まずは、原因に対する治療が優先され、血腫があれば開頭血腫除去術(かいとうけっしゅじょきょじゅつ)が行われます。
     

     
    脳ヘルニアが進行して、「脳幹」の機能が失われた場合は(たとえば呼吸停止)、手術の危険がたかく、開頭手術が出来ないこともあります💦

     
    血腫がないか少量の場合
     
    手術の効果が低いため、薬物療法が選択されることが多く、頭蓋内圧亢進に対する「脳圧降下薬」(グリセオールやマンニトール)の点滴注射が行われます。

     
    脳浮腫を改善するために「脳圧降下薬」(脳浮腫の除去)として、「グリセロール」や「マンニトール」を静脈注射すると脳浮腫を軽減することができ、脳代謝を改善させることができます
     
    頭蓋内圧亢進に対する特殊な治療法にはバルビツレート療法低体温療法がありますが、副作用も大きいため適応は慎重に判断しなければなりません。
     
    頭蓋骨を外す「外減圧術(がいげんあつじゅつ)」が行われることもあります。

    予 後

     

     
    脳ヘルニアの予後については、「どのくらい早い段階で脳ヘルニアを食い止めることができたか」で決まってきます。
     
    初期段階の意識障害であれば、薬物治療だけで社会復帰できるところまで回復することも見込めますが、除脳硬直まで進んでしまうと死亡率が非常に高く、仮に命が助かったとしても、生涯にわたり看護が必要な状態になります。

    それほど、脳ヘルニアは進行すると恐ろしい病気なのです

     
    脳ヘルニアは、軽度なものから重度なものまでありますが、仮に死亡率の高い「鉤(こう)ヘルニア」などでも、初期段階で適切な処置ができれば、一命をとりとめることも出来るのです。
     

    まとめ
    脳ヘルニアの予後については、どのくらい早い段階で脳ヘルニアを食い止めることができたかで決まってきます。
     
    初期段階の意識障害であれば、社会復帰できるところまで回復することも見込めますが、除脳硬直まで進んでしまうと死亡率がとても高くて、もしも命が助かったとしても、生涯にわたり看護が必要な状態になってしまいます。
     
    それほど、脳ヘルニアは進行すると恐ろしい病気なのです💦
     
    医学の事、とくに脳に関係することは難しい言葉が多く理解しがたいものが多いですが、「大変な病気」なんだということは分かって頂けましたでしょうか?
     
    なんの病気でもいえる事ですが、「適切なときに適切な処置ができる」ということが、とても大切なのです。

    Comment

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    2 × two =

    脳血管障害】の最新記事
    • 中高年のための葉酸サプリで動脈硬化・認知症の予防を!
    • ゲンキの時間で紹介「健康カプセル」長寿ホルモンDSアディポでがん予防!
    • かくれ肥満も撃沈!糖尿病など生活習慣病の気になる方はアディポネクチン
    • 危ない!後遺症が怖いインフルエンザ脳症(症状や危険性、注意点)
    • 突然死の可能性がある「血糖値スパイク」痩せていてもなる可能性が
    • 【頭部外傷の基礎知識Ⅵ】頭を怪我すると精神症状が出ることが⁉

    Twitterでフォローしよう

    この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます。