認知症は、「認知機能の障害」によって社会生活などが困難になる病気をひとまとめにして表したものです。

    「認知症」と一言でいっても、皆さん、どんな種類があるかご存じですか?

    「アルツハイマーくらいは知っている!」
    そんな感じでしょうか⁉

    「認知症」にも色々と種類があります!

    そして、現在の医学では薬物療法で認知症を完全に治すことは不可能で、完全に予防する事も出来ませんが、基礎研究が進み、明るい未来が開けそうな気配がすることは確かなことです。

    今回は、どんな認知症があるのかを見ていくとともに、完治は無理であっても今現在、どんな治療や予防があるのかを紹介していきます!

    認知症の種類について

    認知症症状が出現する代表的な病気

     
    ①アルツハイマー型認知症
    ②レビー小体型認知症
    ③前頭側頭型認知症(ぜんとうそくとうがた)
    ④脳血管性認知症(のうけっかんせい)
    ⑤正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)
    ⑥慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)
    ⑦甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

    これらの病気によって「認知症の症状」が見られますが、それぞれ症状と治療方法は違ってきます。

    ①~③は、根本的な治療が困難で進行を遅らせる対処療法を行います。
    ⑤~⑦は、予防または治療が可能な場合があります。

    日本では「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」の混合型が多いと言われています。
    次に多いのが「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」の単独型「レビー小体型認知症」となっています。

    根本的治療が難しく、対処療法となる認知症

    アルツハイマー型認知症

    どんな認知症?

    「異常なタンパク質」が脳の神経細胞に蓄積して、神経細胞を破壊してしまいます💦
    そうなると、脳の萎縮が進行するのです。

    記憶障害が徐々に進行し、日付や曜日が分からなくなり、仕事の要領が悪くなります。

    ある日突然症状が出現するのでは無く、徐々に症状が出現します

    レビー小体型認知症

    どんな認知症?

    「レビー小体」という異常タンパク質が脳の神経細胞に蓄積します。

    実際には存在しないものや人物が見えるという幻覚(幻視)・人物誤認などの「認知障害」
    動作が鈍い・転びやすいなどの「運動障害」の両方が症状として出現します。

    調子の良いときと悪いときの差が大きいと言われています。

    前頭側頭型認知症(ピック病)

    どんな認知症?

    前頭葉と側頭葉の萎縮が徐々に進行し、特徴は、人格が急変する事です。
    そして、若年(65歳以下)で発症することが多いと言われています💦

    窃盗や人前での破廉恥行為など本来ならば罪悪感をもつ行為を平気でするようになったり、物事に無頓着・人から注意されても聞く耳を持たないなど、自分勝手・わがままになってしまいます。

    病気が進行してもバスや電車に乗って迷子になることは少ないのですが、同じ食事しか食べない・決まった同じ道しか通らないなど、同じ行為・行動を繰り返す「常同行動」も見られるようになります。

    治療・予防可能な場合のある認知症

    脳血管性認知症

    脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの「脳の血管の障害」が原因で起こる認知症です。

    脳卒中後遺症のマヒや言語障害をおこすことが多い認知症です。

    脳卒中を繰り返すとそのたびに症状が悪化するので要注意です💦

    再発予防により進行を抑制できます!

    正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)


    脳脊髄液が脳室にたまり、脳室が拡大して周囲の脳が圧迫されて起こる病気です。

    歩行障害や尿失禁が見られるようになります。

    手術により症状を改善が期待できます!

    慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)

    頭を打った後などに、「頭蓋骨」と「脳」の間に血の塊が生じて、脳が圧迫されて起こる病気です。

    頭を打ってから3週間~3ヶ月後に症状が出ることが多いと言われています。

    これも手術により症状を改善が期待できます!

    甲状腺機能低下症

    新陳代謝を高める作用のある甲状腺ホルモンの分泌量が不足して、からだの活動力が低下する病気です。

    居眠り、記憶障害などが見られるようになってきます。

    甲状腺ホルモンを補うことで改善が期待できます!

    どんな薬があるの?

    2016年現在、日本国内では認知症の薬としては下記の4種類が認可されています。
    これらの薬は2つのグループに分けられます。

    1.「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」

    ①アリセプト
    ②レミニール
    ③リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ
    という名前のお薬があります。

    「アルツハイマー型認知症」で、症状が軽度~中等度でしたら①~③のお薬が、すべて適応です。

    「アルツハイマー型認知症」症状が高度の場合、「レビー小体型認知症」の場合では①のお薬が適応となります。

    2.「NMDA受容体拮抗薬」

    「メマリー」という名前のお薬で、上記の3つのお薬とは違う働きがあります。

    このお薬は「アルツハイマー型認知症」の症状が中等度~高度の場合が適応となります。

    なので、複数のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を同時に使用することはできませんが、メマリーはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬のうちのどれか1種類とならば併用して治療することも可能です。

     
    薬物療法を開始しても症状の変化がみられず効果が実感できない場合でも、何も治療しない場合より症状の進行を遅らせている可能性があります

    また、服用を急に中止してしまうと、治療をしていなかった場合と同等の状態まで症状が急に悪化してしまう場合があります。自己判断で中止せず、主治医の先生と相談しながら治療を受けましょう。

    また、どの薬にも言えることですが、人によっては副作用が出ることがあります

    薬を使用することによって得られるメリットとデメリットを比較しながら薬を使うか考える必要があるでしょう。

    他に持病を持っている人や、認知症の薬が合わず副作用の出やすい人の場合は、あえて薬を使わない場合もあります。

    向精神薬は(精神疾患治療薬)は有害って本当?

     
    「向精神薬」は幻覚や妄想等の精神病的な症状や不安、不眠、うつ病等に有効で、これらの症状のある人にとっては必要な薬です。

    向精神薬が有害と言われるのはその副作用にあるでしょう。
    一般に向精神薬の副作用としては便秘や眠気、倦怠感、吐き気などがありますが、人により副作用の出方が違います。

    しかし、ほとんどの場合はその副作用も服薬を中止して、しばらくするとおさまるので心配はいりません。

    なので、もちろん副作用もありますが、「必要な時は、必要なお薬を飲む」ということが大切でしょう。

    薬を飲ませるときの注意事項は?

    自分1人でお薬の管理が出来ないようなら、服薬時間と服用した事の確認をしましょう。

    高齢者は一人で多数の病気にかかっている場合が多いものです。

    なので、1回に飲むお薬の種類が多かったりしますし、若い人より薬の作用も副作用も強く出る傾向があります。

    また、薬によっては一緒に服用してはいけないものもあります。

    別の医療機関から新たに投薬を受けた時は必ず、現在かかっている医師に相談しましょう!

    そして、薬を飲む時間ごとに、何種類もの薬を一つにまとめてくれる薬局もありますので、相談してみましょう。

    飲みたがらないときどうする?

    イライラせずに、穏やかに話しながら、「どうして飲まないといけないのか」を説明してみましょう。

    どうしても飲まない時は機嫌のよい時を見計らって飲ませてみて下さい。

    また、飲みやすい形状のものはないか、医師に相談をしてみましょうね。

    副作用にはどんなものがあるか?

     
    一般的に「向精神薬」の副作用としては眠気、倦怠感、吐き気などがあります。

    ですが、ほとんどの場合、その副作用も服薬を中止して、しばらくするとおさまるので、あまり心配は要らないでしょう。

    個人差がかなりあるとは思うのですが、副作用がきつかったりすることもあります。
    その場合は医師に相談しましょう。

    色々な問題行動は薬で改善できるの?

    「BPSD」と言われるような症状には、幻覚、妄想、不眠、興奮、徘徊があります。

    「BPSD」は「周辺症状」と言われることもあります。

    この「周辺症状」に対してにお薬は、大きく分けて「抗不安薬」、「抗精神病薬」、「抗うつ薬」の3つがあります。

    これらのお薬は症状を緩和させるもので、完全に治すお薬ではありません。

    薬によって改善する事が期待できる症状は‥

     
    幻覚、不眠、うつ、せん妄、攻撃性、不安などです

    物忘れ、見当識障害、不潔行為等にはあまり効果が期待できないでしょう。

    脳血管性認知症の薬物治療は?

     
    お薬は、「脳の障害部位周辺の血液や代謝を改善する目的」で、脳血流改善薬脳代謝賦活薬(のうたいしゃふかつやく)が使われます。

    とくに脳血管性の認知症の場合、健康な脳が残されているケースがあります。
    なので、お薬による治療(薬物療法)と積極的なリハビリテーションをすることで、回復効果をあげるといわれています。

    認知症は予防できるの?

    認知症の予防はその原因によって違ってきます。

    残念なことですが、認知症を確実に予防する有効な方法や予防薬はまだありません💦

    でも、お薬に頼らない予防についての研究があり、効果があることを証明しています。

    スウェーデンの研究では、社会的なつながりによる他の人との交流が脳の機能を刺激する事によって、脳の機能低下を食い止めるという結果が出ています。

    他にもあります!

    それは、脳の機能が最初に落ちる機能(エピソード記憶と実行機能)を集中的に使ってみること

    そうすることによって、代償機能を発達させることは有効だというのです。

    脳の部分でいうと「前頭前野(ぜんとうぜんや)」という部分です。

    しかし、「エピソード記憶と実行機能」の前頭前野を意識して使うってどうするの?ってことですよね。

    「あった出来事を記憶する」これを片っぱしからやっていけ!ってことでしょうけど、難しい💦
    そこで、「前頭葉の血流を良くする」ことを考えましょう!

    運動などの有酸素運動は、その前頭葉の血流を良くする働きもあるので、心身ともに活動する事が「認知症の予防」には効果的といえるでしょう。

    ただ、中年期に生活習慣病となっていた人は認知症になる可能性が高いといえます。
    現在、高血圧や高脂血症などがあるなら、これを治療する事が予防に役立つかもしれません。

    脳血管障害、ビタミン欠乏症、甲状腺機能低下症のような原因がはっきりしている認知症も、その原因となる病気に対しての治療などで、ある程度の予防は可能です。

    認知症の予防に役立つ日常の心がけは?

    認知症のなかで、予防できる可能性が高いのが「脳血管性認知症」です。

    日常生活で心がける事は…

    脳血管性障害の原因である脳梗塞などの危険因子となる高血圧、高脂血症、肥満等にならないようにする事です

    塩分や脂肪分のとりすぎに注意し、適度な運動をするように心がけましょう!

    認知症の予防によい食事はあるの?

    認知症の原因はさまざまで、認知症予防のための特別な食事はありません。

    先ほどもお話ししましたが、「脳血管性認知症」には危険因子である高血圧にならない事が予防につながるので、塩分を控え目にした食事が良いと言えるでしょう。

    また、糖尿病やビタミン欠乏症も認知症の原因になる場合があります。

    健康を維持する為にもバランスの取れた食事を心がけましょう

    効果的な食事として、和食があげられます。

    和食が良いと言われている理由は、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が魚や野菜に含まれており、低カロリーの料理が多いからです。

    一人暮らしで、なかなか和食中心は無理でDHAやEPA、野菜などが摂れない人は、サプリで補うようにしましょう!

    趣味やスポーツで認知症予防が可能か?


     
    「心身の健康を維持する事」が老化をふせいて、結果的には、認知症の予防につながるといえるでしょう。

    そういった観点からみると、趣味は一人でするものより、仲間をつくれるものや社会参加ができるものがgoodです!

    また、スポーツは筋肉を増強する無酸素運動を伴う激しいスポーツより、集団で行なうものでエアロビクスのような有酸素運動的なものが良いでしょう。

    認知症を進行させないためには?

    脳血管性認知症の原因は主に脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の三つですが、とくにその危険因子となるのが高血圧です。

    なので、高血圧の予防や治療をする事は脳血管性認知症の予防にもなります。

    また、脳血管性認知症で歩行障害があります。
    歩行障害については理学療法及び作業療法のリハビリテーションが有効でしょう。

    大切な家族を守りたい一心で介護していても、「認知症になっている本人」から拒否されてしまうこともあります。

    また、認知症が急激に進んでしまうのではないかと不安になることもあるでしょう。

    そのような時には、医師や専門の人たちに相談をして、少しでも心を軽くすることが必要なのです。


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