「日本の不妊は世界を見渡しても深刻だ」といわれています。
     
    今、ますます不妊問題が深刻化しているのに、不妊治療に対する認識や周囲のサポートが低いことなど問題は多くあります。
     
    それは、「不妊治療は女性が受けるもの」という誤解をしている人が多いということも原因の一つなのではないでしょうか⁉
     
    悩んでいる夫婦の周囲に限らず、悩みを抱えている本人の意識もそうであるケースが多いのです。
    「女性の身体に宿るのだから、受精する、しないも女性の問題」
    その間違った認識は、一般的な夫婦間でもしばしば見られる光景です。
     
    「男性不妊治療」という言葉自体は、まだ世間に広く認知されていないようですが、医療現場ではどんどん開発・研究が進んでいる分野です。
     
    夫婦2人で向き合う妊娠・出産。
    男性側、女性側の両方の原因を探ることで、身体的にも精神的にも負担を軽くして短期間で解決につなげられる可能性があります。
     
    また、男性側の治療を進めることで、女性側の治療の負担を軽くすることもできるでしょう。
     
    夫婦の妊娠力をアップさせるために、男性側の協力はとても大切なことなのです。
     

    と言われるように、母子ともに健康な状態で妊娠・出産することは、私たちが思っている以上にとても奇跡的なことです。
     
    「子どもが欲しい」と願っている夫婦はたくさんいますが、日本ではそういった悩みをオープンに話せる機会が他の国に比べて少ないことも問題の一つと言えるでしょう。
     
    おもな不妊治療クリニックの数を主要国で比べてみました!

     
    日本の不妊治療を行うクリニック数…約600軒
    米国…500軒弱
    中国…300軒

    世界一の軒数なのです。
     
    さらに、体外受精や顕微授精などの治療件数でも、日本は年間約32万件と世界トップ
     
    いまでは、「新生児の27人に1人は、体外受精児」という時代が到来しているのです💦
     
    このように「不妊」は今では身近なものとなってきましたが、「男性不妊」や「男性不妊治療」という言葉を身近に感じている人は少ないと思います。
     
    なので、今回は「男性不妊や治療」などについてスポットをあて、男性が戸惑うことなく医療機関に相談や検査にいけるようになって頂けたらと思います。

    男性側も専門クリニックできちんと調べる時代へ



    世界では不妊症が進み、“晩産化”が進む日本にとっても、不妊は深刻な問題です。
     
    WHO(世界保健機構)が行った調査です。

     
    ・男性のみに原因があるケース・男女双方に原因があるケースはともに24%ずつ
     
    ・男性因子が絡むケースが不妊症例の約半数

     
    このように、男性に原因があってなかなか妊娠できないケースが増えています。
     
    しかし、日本で不妊症治療をおこなっているのは婦人科医のクリニックが大半です。
    そこに男性の姿を見ることは、そう多くありません💦
     
    不妊症は、女性の問題というイメージが強く、妻ひとりで病院に行くことが多いのが現状なのです。
     
    男性を病院から遠ざけている理由としてつぎのようなことがあるでしょう。
    ・平日の昼間しか開いていないクリニックが多く、仕事を持つ男性が診察を受けにくい
    ・女性ばかりの病院に行きづらい
    ・女性ばかりいる空間で採精することに抵抗がある
     
    女性が多い産婦人科での検査に抵抗を感じることは、自然の感情だといえます。
     
    こういった問題を打開するために設立されたのが、男性専用のクリニックです。
    これまで女性ばかりの空間で違和感を感じていた不妊検査も、男性が足を運びやすい空間作りをしているクリニックが増えているようです。

    男性専用のクリニックの利点は?

     
    ・違和感なく、スムーズに検査・診療と向き合うことができる
     
    ・診察・治療も「男性側の身体的能力」を細かく把握していて、適切な処置を短時間でおこなうことが可能。

     
    今まで、不妊治療というのは女性側にばかりスポットがあてられていたので、「男性の身体的能力」を細かく把握できる婦人科は少ないように思えます。
     
    しかし、男性専用のクリニックなら、その問題はありません。
     
    信頼できる医師と話を進める中で、夫婦で取り組む不妊の悩みを効率的に進めることができるでしょう。

         不妊治療は、男性の治療の受けやすさも考慮しながら、
               夫婦で協力しておこなうことが大切です!

    男性不妊治療の方法

     
     

    ここでは、原因別の治療について見ていきたいと思います。
     

    性機能障害

    性機能障害の治療には4つの方法があります!

    1.抗うつ薬

     
    射精時、精液が膀胱に逆流する「逆行性射精」の症例に対して使われることがあります。

    この薬物治療によって全逆行性射精症患者のうち、約3分の1程度の人はかなりの改善が見込めるようです。 
     
    しかし、抗うつ薬は副作用もありまので、医師の指示にしたがっての服用が大切ですね。
     
    2.PDE-5阻害薬
     
    勃起不全(ED)の治療薬として使われていて、EDが不妊原因の一つである場合に使用されます
     
    PDE5阻害剤は、“勃起を助ける”錠剤の飲み薬です。

    間違えてはいけないところが、「勃起をおこす薬」と考えるのは誤解だということです。
    性欲もないのに勃起させるわけではなく、薬が効いている間ずっと興奮し続けて困るようなこともありません。
     
    PDE5阻害剤の効果のあった割合は約80%にのぼります。
     
    心因性EDでも、マスターベーションに問題がなければ神経や血管は反応できるということです。



     
    糖尿病によるEDは症状が重いのも事実ですが、約65%の患者さんにPDE5阻害剤で効果があったということなのです。


    現在、PDE5阻害剤には3種類あり、作用の持続時間などがちがいます。
    医師と相談のうえ、患者自身の生活パターンなどに合わせて選ぶようにしましょうね。
     
    3.射精障害に対する治療
     
    精子形成に問題がなくても、誤ったマスターベーションの方法に慣れてしまっているため、性交時に射精できない場合があります。
    器具を用いてマスターベーションの方法を矯正できるかを試してみますが、場合により人工授精を必要なこともあります。

     
    4.人工授精

    つぎのような場合に、人工授精を検討します。

     
    ・性機能障害の治療をおこなっても無効な場合
    ・性機能障害の治療を希望しない場合
    ・高齢の夫婦で妊娠を急がなければならない場合

    軽度~中等度の精液性状低下


     

     
    精液性状低下とは、精子の動きが鈍い、奇形がある、量が少ないなどの理由から、精子が卵子までたどり着かない状態をいいます。

     
    このような症状が軽度~中等度の場合の治療法としては、内科的治療人工授精外科的治療(手術)の3つの方法がありますので、紹介していきますね。
     

    内科的治療

    1.生活習慣など、男性不妊の原因になる因子をとりのぞく

     
    ・精子形成や射精を障害する可能性がある薬剤
    ・喫煙
    ・アルコール過剰摂取など

    これらのような男性不妊の原因になると考えられるものがあれば、できるかぎりやめていきましょう。
      
    もう一つ気を付けたいことは…!
     
     
    こう丸(精巣)の温度が高くなると、精子をつくる働きが低下してしまうことがあります。

    そのため、熱いお風呂やサウナに長時間入ること、電気毛布、ぴったりした下着などは、さけるのが無難です。
     

    2.非内分泌療法(漢方薬、ビタミン剤、血流改善薬など)
     
    非内分泌療法とは、精子減少症などの男性不妊の治療としてホルモン剤を使わない漢方薬やビタミン剤を中心とした治療のことで、科学的根拠がとぼしく、その使用は経験的な場合が多いものです。

     
    ここでは、非内分泌療法のあれこれを紹介していきまね。
     
    ①妊娠にはビタミンB12が不可欠!

    精細管内の精細胞のDNA合成を促進して、乏精子症が改善するといわれています。

     
    ビタミンB群のなかでも、葉酸、B6、B12の不足が不妊と関係があると言われています。
     
    男性の精子の数と活動率に影響を及ぼすことが世界中の研究者によって報告されています。

     

    精子を作る時にはビタミンB12が不可欠なビタミンであることが研究の結果分かり、実際、男性側不妊の男性に、1日1000-6000μgのビタミンB12を数週間服用したところ、平均で40%精子の数が増え、精子の活動率も向上したという報告があります。
     

    ビタミンB12を含む代表的な食品です!

     
    豚ロース肉、豚レバー、牛レバー、鶏レバー、さんま、まぐろ、牡蠣、あさり、しじみ、はまぐり、たらこ、のり、チーズ、卵など
     

    摂りやすい食材が多いと思いますが、食生活が不規則できちんと摂る自信のない人はサプリメントを上手に利用しましょうね!

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    ②ビタミンEで精子の数を増加

     
    様々な栄養素が精子の量を改善すると言われていますが、とくに有名なのが「ビタミンE」です。
    また、ビタミンEは、精子の運動率や精子濃度を改善するといわれています。

     
    ビタミンEを毎日200ミリグラムずつ男性に投与した実験では、精子の数は4ヵ月後から増えはじめ、10ヵ月後には10倍近くになったという報告があります。
     
    また、ビタミンEは精子の数を増やすだけではなく、精子の運動量を上昇させ、受精の確立を高めるとも言われています。
     
    ビタミンEは、女性においても、性ホルモンの生成や分泌の調整をする脳下垂体に働きかけ、ホルモンバランスを整える効果があります。
    そのため、生理不順の改善や受精卵の着床をよくする効果があることが分かっています。

     
    ビタミンEにはストレスを軽減させる効果もあることがわかっています。
     
    過剰なストレスは、性機能障害や性行為自体への興味を失わせるなどの原因ともなりますので、このストレスを取り除くだけでも変化が得られるという場合もあるのです。

     
    このように、ビタミンEは男性不妊に一定の効果が期待できるのです。
    最近では、不妊治療などでクリニックに相談をした場合には、男性不妊の改善のためにビタミンEを処方されることもあるようです。
     
    妊活時には、女性だけでなく男性パートナーにも積極的にビタミンEの摂取を心がけることが大切ですね。
     
    ビタミンEは食品からの摂取が容易な栄養素です。
    毎日少しでも、食品やサプリメントなどを活用して、上手に摂取していくようにするとよいですね
     
    ビタミンEを含む代表的な食品です!


    お茶の葉、とうがらし、アーモンド、サフラワーオイル、ヘーゼルナッツ、コーンオイル、マーガリン、あんこうの肝、すじこ、たらこ、モロヘイヤ、大根の葉、焼き海苔、赤ピーマンなど

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    ③その他の非内分泌療法

    ・カリジノゲナーゼ(薬品名 カリクレイン)

    カリクレインは、肝臓やすい臓にある酵素で、血圧の調整などをしています。

     
     
    カリクレインは蛋白質分解酵素の一種で、生殖腺にも存在して精子の運動性や精子形成に関係していると考えられています。
    カリクレインを内服することで、精子濃度、精子運動性などの改善が報告されています
     
     

    ・副腎皮質ステロイド

    抗精子抗体がある場合に、副腎皮質ステロイドが使われることがあります。
    しかしステロイドは副作用が強いため、簡単に使用されることはありません。
     
     

    ・抗菌剤

    膿精液症で「前立腺炎」がある場合に処方されます。
    定期的に精液検査をし、精液中の白血球の数と、精子の運動率を調べて抗菌剤が有効かどうかを診断します。
     
     

    ・次は漢方薬です!

    【漢方薬 八味地黄丸(はちみじおうがん)】
    下半身の脱力感や冷え、全身倦怠感に使用されます。
     
    男性不妊に対しての作用は、精子数の増加作用があるとされていますが、精子の運動率を改善するともいわれています。
     
    【漢方薬 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)】
    低血圧、全体的に疲れやすく食欲がない、精力減退などの症状に使用されます。
    男性不妊に対しての作用は、精子の運動率の改善作用があるとされています。
     
    【漢方薬 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)】
    利尿作用があるので、むくみがある場合に有効です。
    男性不妊に対しての作用は、精子の数の増加作用があるといわれています



     
    Q&A どのくらいの期間服用するの?

    精子が作られるのには、約72日間かかります。

    このことから薬の効果発現までは約3か月が必要です。
    服用しながら精液検査を続け、改善度を確認しましょう!
     
    Q&A 体外受精・顕微授精にも有効?

    有効ですよ!

    一般的な数値では評価できない精子の質や授精能力の改善効果も確認されています。
    数値の変化がなくても継続することで、授精能力が高まる可能性があります。
     

    3.内分泌療法(hCG、FSH療法)
    どのような人に有効?

    精巣機能不全(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症)の人に対しておこないます。
     
    この病気は、脳の視床下部あるいは下垂体の機能不全が原因でおこるものなのですが、「先天性」のものと「脳手術後など後天的」なものがあります。
     

     

    どのような治療をするの?

    定期的に注射をすることが必要なのですが、患者さん自身に自己注射をしていただく場合が多いです。
     
     

    効果は?

    低ゴナドトロピン性性腺機能低下症は、治療前の状態が無精子症であっても、薬物療法で、あきらかに精液所見の改善がのぞめる、数少ない疾患の一つと言えます。 

     
     

    内分泌療法(ホルモン療法)の薬剤の具体的な名前は?

    ・【男性ホルモン】を大量に投与する。
    男性ホルモンを投与することでどのようなことがおこるのかを見ていきましょう!
     
    脳の視床下部や下垂体に「男性ホルモンを投与した」という情報が伝わります。

    すると下垂体の精巣刺激ホルモンの分泌が抑制されます。【無精子症の状態になる】

    男性ホルモンの投与を中止する 

    再び「中止した」という、その情報が視床下部や下垂体に伝わる

    精巣刺激ホルモンの分泌がさかんになる

    精巣での精子の生産が活発になるのを期待する
     
     
    ・【性腺刺激ホルモン
    ライディヒ細胞を刺激するhCG(ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン)と、セルトリ細胞を刺激するhMG(ヒト閉経婦人尿性性腺刺激ホルモン)との2つが使われています。
     
    hCGとhMGは注射薬のみで、内服薬はありません。
     
     
    ・【クロミフェン(薬品名 クロミッド)
    脳の視床下部では、精巣からの男性ホルモンや、それが変化した女性ホルモンが作用します。
    これが下垂体での精巣刺激ホルモンの分泌をおさえてしまい、精子の生産性は低下します。
     
    クロミフェンは、視床下部での男性ホルモンや女性ホルモンの作用を阻止してくれます。
    結果的に精巣刺激ホルモンの分泌を促してくれるのです。
     
     
    ・【抗プロラクチン剤
    プロラクチンというホルモンの血中濃度が高いと、男性ホルモンの生産性が悪くなります。
    下垂体にプロラクチンを過剰に生産する腫瘍ができると、血中のプロラクチン濃度が異常に高くなります。
    なので、上記の状態の時に、プロラクチンをおさえる為に、抗プロラクチン剤を投与します。
     
    また、原因不明の高プロラクチン血症にも、抗プロラクチン剤を投与します。

     

    人工授精


    しかし有効でない場合は何度おこなってもなかなか妊娠できませんので、人工授精を3~5回ほどおこなって、それでも妊娠できなければ、次のステップである体外受精への移行を考えていきましょう。

     
    夫婦で自宅で出来る「人工授精」詳しくはこちらで紹介しています!

    自宅で簡単!話題の人工授精【シリンジ法】安い!簡単!安心
    2017.9.17
    [marker]「赤ちゃんが欲しい」と思っているカップルの方々。 自宅で簡単に人工授精ができる!って知っていましたか⁉ わざわざ病院に行って「1回あたり平均1万5千円」と[fontsize s…

    精索静脈瘤に対する手術

     
    精索静脈瘤があり、精子形成障害がおこっていたり、将来の精子形成障害が考えられる場合におこないます。
    どんな手術なの?

    鼠径部(ももの付け根)を3cmほど切開し、逆流の原因となっている精巣の静脈を結びます。
     
    その結ぶ位置によって高位結紮術(こういけっさつじゅつ)と低位結紮術(ていいけっさつじゅつ)の2種類があります。

    一般的には、手術用顕微鏡を使った顕微鏡下低位結紮術(けんびきょうかていいけっさつじゅつ)が多くおこなわれていて、術後に精子形成能の改善をすることで、精液所見の改善と妊娠率の向上が期待されます。
     

    高度の精液性状低下・無精子症


     

     
    精液性状低下とは、精子の動きが鈍い、奇形がある、量が少ないなどの理由から、精子が卵子までたどり着かない状態をいいます。
     
    そして、それが高度になると精子のみられない「無精子症」となります。

     
    しかし「無精子症」とはいえ、治療によっては妊娠する可能性は残されます!

     

    男性の高度な不妊治療は「精巣精子採取術」「顕微(けんび)受精」が中心です。
    以下の三つをチェックしましょう。

     
    ①精巣精子採取術(シンプルTESE・マイクロTESE)
     
    ②精路再建手術
     
    ③非配偶者間人工授精

     

    (1)精巣精子採取術+顕微授精

     色々な方法をためしても精液中から精子を回収することができない場合におこないます。

     
    つぎの2つの方法で採取した精子は生殖補助医療(顕微授精法)で卵子と受精させることになります

    精巣精子採取術(simple-TESE)

    どのような人に有効?

    「閉塞性無精子症」で、精路再建術がむずかしい場合や不成功だった場合におこないます。
     
    「閉塞性無精子症」の場合は精巣内での精子形成が盛んなので、多くの場合は精子の採取が可能です。
     
     

    どんな方法?

    陰のうの皮膚を小さく切開し、精巣組織の一部を採取する方法です。
     
    採取した精巣組織に精子があれば、顕微(けんび)授精に使用します。

     
     

    顕微鏡下精巣精子採取術(micro-TESE)

    どのような人に有効?

    精巣内での精子形成が極度に障害されていることが多い「非閉塞性無精子症」におこないます。
     
     

    どんな方法?

    陰のうの皮膚切開したところから精巣を体外に出して、手術用顕微鏡をつかって精子形成のある場所を綿密に探して、精子の採取をこころみます。

     
    しかし、「非閉塞無精子症」の場合は、この方法を用いても残念ながら精子を採取できないこともあります。

    (2)精路再建手術

     
    精路(精子の通り道)に閉塞がある場合にその部を取り除いて精路を再建します。

    「精路再建手術」は、その閉塞部位によって手術方法は違いますが、精路通過障害をとりのぞけば、射出精液中に精子が認められ、自然妊娠が期待できる治療法です


    ここでは、3つの方法を紹介していきます。

    精管精管吻合(ふんごう)術

    どのような人に有効?

    パイプカット術後や鼠径(そけい)ヘルニア術後など、精管の閉塞が原因で無精子症をおこしている場合におこないます。
     
     

    どんな方法?

    閉塞している部位の末梢(はしっこ)側と中枢(まんなか)側の開通している精管同士をつなぎあわせる方法です。
     
    この方法を顕微鏡下精管精管吻合術(けんびきょうか せいかんせいかん ふんごうじゅつ)といいます。
     
    閉塞していた期間や原因などにもよりますが、術後には約80-90%の症例で精液中に精子の出現し、自然妊娠率は約30~40%といわれています。
     
     
    精管精巣上体吻合術

    どのような人に有効?

    「精巣上体炎」後など、精巣上体での閉塞が原因で無精子症をおこしている場合におこないます。

     
     

    どんな方法?

    精巣上体の一部を切開し、精管とつなぎあわせる方法です。
     
    この方法を顕微鏡下精管精巣上体吻合術(けんびきょうか せいかんせいそうじょうたい ふんごうじゅつ)といいます。
     
    閉塞の原因にもよりますが、約40%程度の症例で、術後に精液中に精子が出現し自然妊娠率は
    約30%といわれています。
     
     
    射精管解放術

    どのような人に有効?

    前立腺のう胞などが原因で、射精管(前立腺にある精液が尿道に出てくる部位)の閉塞がある場合におこないます。

     
     

    どんな方法?

    経尿道的内視鏡をつかった射精管解放術という方法をおこないます。
     
    ただ技術的に難しい手術なので、この手術ができる医師が多くいない現実があり、精巣上体の閉塞や精管切断に比べて頻度は低くなります。

    (3)非配偶者間人工授精

     
    ・精巣精子採取術をおこなっても精子の得られない無精子症
     
    ・高度の精液性状の低下・無精子症の人で(1)、(2)のような治療をおこなっても妊娠できない場合

    このような場合には、夫婦の強い希望があれば非配偶者(夫以外の提供者)の精子をつかった人工授精治療を考慮することも出来ます
     
    ただ、この治療法では父親と子どもに遺伝的なつながりがなくなること、子どもにその事実を伝えるかどうかなど、子どもが出来てからも考え続けなければならない問題が多く、どの夫婦にもすすめられる治療法ではありません。
     
    専門医に相談して、慎重に考えていく必要があります。
     
    男性不妊を克服するために必要な栄養素とサプリメントは、こちらで詳しく紹介しています。

    男性不妊は意外と多い⁉(その5 精子が元気になる食べ物とスッポンの8倍⁉サプリメント)
    2017.9.26
    あなたの精子は大丈夫ですか? 「21歳男子60人のうち58人が精子異常」。 「精子異常・無精子症」 原因はカップ麺やハンバーガーの添加物に! という衝撃的なネットのニュースを見まし…

    その他の治療法

    閉塞性無精子症の治療法

    閉塞性無精子症の治療法には2つの方法があります。

    1.閉塞箇所を再吻合すする「精路再建手術」で自然妊娠を目指します

     
    「精路再建手術」は、顕微鏡下で精管が閉塞している部を再吻合する精管精管吻合術が中心です。
    この手術では、せまくなっている部分を取って、つなぎ合わせます。

     

     
    強く自然妊娠を希望し、女性側に妊娠のさまたげになりそうな問題がまったく見つかっていない場合、さらに女性に年齢的な余裕がある場合には検討されてみてもよいでしょう。
     
    パイプカット後の再開通率は、80~90%と高く、自然妊娠率も50~60%と期待できます。
     
    一方、「精管上体精管吻合術」は難しいとされる手術で、再開通率40~70%は、術後の自然妊娠率
    30~50%程度とあまり高くありません。
     

    精子が成熟停止となっていないことを確認する目的で「精巣生検」をおこなって、精子が見つかったら凍結保存したうえで「精路再建手術」をお受けになることをおすすめします。
     
     
    2.精巣もしくは精巣上体の精子を回収して顕微授精をおこないます

     
    「精子回収法」を使って、精巣内や精巣上体から精子を採取し、顕微授精(ICSI)を行います。

    1個でも生きた精子が回収できれば妊娠も期待できますので、精液検査で無精子症とわかった段階で、妊娠をあきらめる必要はないのです

     
    泌尿器科での触診やホルモン検査で「閉塞性無精子症」と診断されている場合には、精子の成熟停止でさえなければ精巣内もしくは精巣上体から精子が回収できます
     
    「閉塞性無精子症」は造精機能自体に問題がないので、精路の通過障害が克服できれば精液量や精液所見の改善が大いに期待できることが多いのです。

    ただ男性不妊は約90%が「造精機能障害」です💦

    「造精機能障害」は、精子を作り出す機能自体に問題があり、精子をうまくつくれない状態です。
     
    そこから「どのように精子を回収するか」という事が男性不妊の重要なこととなります。

    非閉塞性無精子症の治療法

    非閉塞性無精子症は2つの治療法とそれとは別に他の考え方があります。
    1.低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に対するhMG/rFSH-hCG療法

     

     
    脳の下垂体からのゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)がうまく分泌されていない人には、精子をつくるためにつぎのような必要な成分を注射します。
    ・FSH成分を含むhMG製剤
    ・リコンビナントFSH製剤とLH作用のあるhCG製剤

     
    注射の回数は、1週間に1~2回、長期間(2カ月~1年に及ぶ場合も)にわたって注射していきます。
     
    このhMG/rFSH-hCG療法が効果があると、射出精液の中に精子が出現する効果が期待できます。
    ただし、精巣の萎縮や乳房の女性化などがおこった場合は、使用を中止する必要があります。
     
     
    2.精巣もしくは精巣上体の精子を回収して顕微(けんび)授精をおこないま

    「精子回収法」を使って、精巣内や精巣上体から精子を採取し、顕微授精(ICSI)を行います。
    1個でも生きた精子が回収できれば妊娠も期待できます
     
    しかし、つぎのような場合には、たいへん残念ですがご主人と遺伝的につながりのあるお子さんは望めません💦
    ・精巣内での精子形成が精母細胞までで止まっている成熟停止
    =精子がうまくそだたない

    ・精祖細胞もないセルトリ細胞単独症
    =精子がまったく作られていない
     
     
    3.夫以外のドナー男性から精子の提供を受けて非配偶者間人工授精(AID)をおこないます

     
    少なくとも「妻との遺伝的つながりのある子がほしい」という希望がある場合には、夫以外のドナー男性から精子の提供を受けて人工授精を行う配偶者間人工授精(AID)を選択する方法もあります

     
    AIDを実施する施設は、日本産科婦人科学会への登録制で限定されていて、この日本産婦人科学会お墨付きのとされる施設は2016年7月19日現在、15施設あります。
    そこは夫以外の匿名提供精子で人工授精を受けられる病院で、感染予防のため、凍結精子を用いるのが一般的です。
     
    ※日本産科婦人科学会は、2013年1月に“厚生科学審議会報告書にもとづいて、
     
    ・夫婦に対するカウンセリング体制の充実
    ・民法上の「親子関係規定」などの法整備
    ・子の「出自を知る権利」

     
    これらを国が、保証するためのガイドラインをふくめて、「精子・卵子提供による生殖医療」が適正におこなわれるための枠組みをすみやかに整備していくよう、引き続き求めて行きたい”との声明を出しています。
     

    後期精子細胞を使った顕微授精(ICSI)

    精子は、精巣内でつぎの順で形成されていきます。

    精粗細胞

    精母細胞

    精子細胞(未熟な「円形精子細胞」と、成熟精子に近い「後期精子細胞」に大別できます)

    成熟精子
     
    ところが、この精子の形成が途中で止まり、成熟停止となってしまう人がいます
     
    精母細胞の段階で止まる症例がほとんどですが、「後期精子細胞」の段階まで精子形成が進んでいるケースもとてもまれではありますが存在します。
     
    後期精子細胞は減数分裂が完了しているので、顕微授精をすることで子どもを授かることが理論上は可能で、実際に国内での出産例もあります。
     
    ですが、日本産科婦人科学会では平成9年につぎのようなを告示をだしています。

     
    「精子細胞を用いた顕微授精の応用も考えられるが、その安全性および確実性の点からも
    現時点での
    臨床応用は時期尚早と考えられる

    このことについては、15年経った今も、新たなガイドラインは出されていません。
     
    つまり「後期精子細胞」は減数分裂が完了していますが、「成熟精子に近い」のであって、完璧な「成熟精子」ではないのです。
     
    なので現在も、未熟な精子細胞を使った生殖医療は控えられています💦
     
    この方法は、ごく限られた施設でおこなわれていて、胚移植あたりの妊娠率や流産率などの成績も公開されています。
    しかし、この値には「精巣内精子採取法」にチャレンジした結果、「精子も後期精子細胞も見つからなかった人」や「見つかっても受精せずに移植できていない人」は計算に入っていないのです

     

    MESA(精巣上体精子回収術)


     
    精巣上体から精子を回収する方法です。
     

    どのような人に有効?

     
    ・精管などの精子の通り道を再建させる方法がない場合
    ・勃起障害
    ・射精障害など

    例:閉塞性無精子症、射精障害、精路閉塞、精路狭窄、精路欠損、パイプカットなど
     
     
    どんな方法?

    腰椎麻酔をして、陰のうを切開し、顕微鏡下で精巣上体被膜を切開します
     
    露出した精巣上体管からカテーテルなどで精子がいる内容液(精巣上体管液)を吸引します
    ※ 腰椎麻酔をおこなうので、病院によっては入院が必要となります。
     
     

    治療成績は?

    精巣内にいる精子よりも状態の良い精子を多量に取れ、1回の手術で充分な量の精子が凍結できます。
     
    手術時間は短めで、閉塞性無精子症ではほぼ100%回収可能です。
    しかし、陰のうを切開するため鈍痛が残ります。
     
    その他の治療として、精管精子回収術精巣精子回収術顕微鏡下精巣精子回収術があります。

     
    ・ReVSA (精管精子回収術)
    精管(精巣上体から尿道まで精子を送り出す管)から精子を取り出す方法です。
     
    ・Conventional TESE(精巣精子回収術)
    精巣から精巣組織をランダムに回収して、その中から精子を回収する方法です。
     
    ・MD-TESE(顕微鏡下精巣精子回収術)
    顕微鏡を使って精巣から精子がつくられている精細管を見つけ出して精子を回収する方法です。

    まとめ
    最近少しずつですが男性不妊の認知度も上がってきています。
     
    ですが、今まで産婦人科医が基本となって日本の不妊治療を支えてきたので、圧倒的に男性不妊を担当する泌尿器科医や男性専門クリニックが少ないのも現実です。
     
    また、不妊クリニックでは精子がとりあえず得られる場合は、精子を直接卵子に注入する顕微授精にたよりがちになることも問題だと言われています。
    なぜならやはり精子も卵子と同じように「」が大事な事がわかっているからです。
     
     
    精子の質は精子所見に比例することもわかっています。
    つまり精子所見が悪いと精子の質も悪いという事です。
     
    質の低い精子で顕微授精をしても妊娠率は低いでしょう。
     
    そうして顕微授精を繰り返すようになると、もちろんますます女性側の負担が増えるという事です。
     
    男性も積極的に妊娠しやすいカラダ作りをして精子の質を高めるということが、顕微授精などの高度な生殖補助医療の成功率を上げて、パートナーの負担を減らすことにつながります。
     
    そのような認識をもつということが大切なのです。
     
    男性の不妊治療や男性の妊活(妊娠しやすいカラダ作り)の認識がもっと高まってくれることを期待しています。

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