皆さんは、「体外受精」と聞いてどのようなイメージを持たれていますか?
    「大変そう」とか、「お金かかりそう」だとか、簡単にはふみ出せないイメージが多いのではないかと思います。
     
    確かに、人口受精にくらべ費用がかかります。
    だからこそ、「体外受精」について勉強して計画性をもつことが必要ではないでしょうか⁉
     
    ここでは、体外受精についての内容などのあれこれをまとめましたので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

    体外受精とは…



    体外受精とは、子宮内から取り出した卵子を体外で受精させ、その受精卵を培養した後に子宮に戻す治療方法です。

    体外受精はタイミング法や人工授精からステップアップした治療法で、自力での受精が困難な人への治療に利用されます

     
    体外受精(あるいは「顕微授精」)の大きな特徴としては、
     
    精子と卵子を確実に受精させることができる
     
    ということです。
     
    確実に受精を起こさせることができれば、精子と卵子に妊孕性(にんようせい)が残っている限り、ほとんどの場合は、体の中にもどした後も、受精卵が正しく育ち、妊娠が成立します。
     

    妊孕性とは、妊娠のしやすさという意味です!

     

     
    つまり、精子と卵子に力があれば、体外受精をすればほとんどの場合妊娠・出産が可能なのです。

     
    これに対して他のすべての不妊治療では、妊娠しない場合に
    「体内で受精が起こっていないからなのか」
    「精子や卵子の力が落ちているからなのか」がわかりません。
     
    もし精子や卵子の力が落ちているから妊娠できないのならば…
     
     危険です!
     
    体外受精以外の不妊治療は妊娠する時期を遅らし、出産するチャンスをさらに減らしてしまいます!
      
    この危険性をさけるためには、精子あるいは卵子の妊孕性(にんようせい)が低下していることがうたわれる場合は、精子や卵子の力が完全になくなって妊娠することができなくなる事をさけるために、他の不妊治療を早めに切り上げて体外受精に進むことが妊娠への近道なのです

    体外受精の種類


     
    移植方法は、細いチューブに受精卵(胚)をいれて、超音波にて確認しながら採卵と逆の形で子宮内に戻します。
    では、どのような方法があるのか見ていきましょう!

    ・分割胚移植(新鮮胚移植)


     
    分割をはじめた受精卵(胚)を2日~3日後に、子宮内に戻す移植方法。
     
     

    ・胚盤胞移植


     
     

    体外で5~6日間培養して、胚盤胞の状態で移植をする方法です。

     
    着床前の状態まで胚が培養されていれば妊娠率も当然高くなります。
    その反面、胚盤胞まで培養できず胚が分割停止などの結果、移植がキャンセルになる可能性も高くなります。

     
     

    ・2段階胚移植

    分割胚移植胚盤胞移植を組み合わせた移植法です。
    分割胚を移植することで、子宮内膜が着床しやすい環境を整えます。
    そして「胚盤胞の状態の胚」を移植することにより高い着床率を得ることが可能です。
     
    問題点として…

     
    ・移植する胚が最低でも2コ必要
    ・胚盤胞までの培養し育ってくれないとできない
    ・胚を2コ移植するため多胎妊娠のリスクがある

     
     

    ・SEET法(シート法)


     
    「体外受精」は不妊で悩んでいる人たちにとっては、大変効果的な治療です。
     
    しかし着床障害が原因で体外受精や顕微授精をくり返しても、妊娠出来ない場合があります。
     
    この「着床障害」にたいして有効な治療方法が、SEET法(シート法)なのです!
     
    SEET法(シート法)の方法を説明していきますね!

    まずは、治療準備です。

     

    受精卵を体外で5日間培養します。
     
    ↓(胚盤胞の状態まで培養)
     
    一旦、凍結保存します。

    このとき、この受精卵を胚盤胞まで培養するのに使い、受精卵から放出された物質が含まれた培養液を別の容器に凍結しておきます。
     
    これで治療準備完了です。
     

    今度は、次の周期です!

     
    ・まずあらかじめ凍結しておいた培養液を「子宮の中」に注入します。
     
    ・この培養液に含まれている受精卵のエキスが子宮に作用し着床しやすくします
     
    ・そして培養液を注入した2~3日後に胚盤胞を1個移植するのです。

    これがSEET法(シート法)です。

     
     

    ・ZIFT(接合子卵管内移植)


     

     
    この方法は…
    ・排卵日を確認します。

    卵子と精子を体外受精させます。

    受精した胚を腹腔鏡下で、卵管采から注入する方法です。
     
     

    ・GIFT(卵管内配偶子移植)


     

    この方法は、良好な卵子と精子を体外受精させずに卵子と精子を直接卵管内に注入します
    これも腹腔鏡下でおこないます。

    着床率をあげるために「着床補助操作」


     
    胚は子宮内膜に触れると、胚をおおう透明帯の一部が溶けることにより胚は外にでます
    これを「ハッチング」と言います。
    ハッチングした胚は子宮に埋もれていきます。
    これが着床です
     
    着床するためには、ハッチングしないと着床できません。
     
    しかし!
     
    胚の中には、透明帯が硬くなったり、厚くなったりしてハッチングしづらくなっているものもあります💦
     
    なので、「着床補助操作」として、AHA:「アシスティッドハッチング」をします!
     

    アシスティッドハッチングとは⁉

     
    うまくハッチングしない場合に、透明帯に一部穴をあけたり、薄く削ることでハッチングをしやすくすることです。
     
    また、移植後には以下の理由から、薬剤は処方されることが多いようです。
     
    1) 感染予防
    移植後に抗生物質が3~5日程度処方。
     
    2) 着床しやすい子宮内膜作り
    卵胞ホルモンの処方
    薬品名:エストラダーム・プレマリン・エストレース(輸入医薬品)など
     
    3) 黄体期管理のため
    黄体ホルモンの処方
    薬品名:デュファストン プロゲストン など

    体外受精を成功に導く3つポイント


     

    体外受精の結果を高めるためには、下記の3つが大切です

     
    1) 質の良い卵子を育てられるか
     
    2) 質の良い胚に育てられるか
     
    3) 着床しやすい「良い環境の子宮」に移植できるか

    この3つのポイントがクリアできれば、妊娠にぐっと近づくと言えます。

    それでは、各ポイントごとに説明していきますね!

     

    体外受精や顕微授精を成功させるには、なんといっても「質の良い卵子」が採れることが重要です!
     
    どんなに精子が元気でも、肝心の卵子が老化していれば、受精や着床を成功させるのは難しいものです💦
    なので、治療と並行して「自分でできる卵子強化対策」をとっていきましょう。
     
    グレードの良い卵子を採卵するため(卵子の質を高めるため)に自分でできること!
     
    ・冷えとり

     
    体の冷えは卵巣の機能を低下させます!
    冷え性を克服することは、とても大切です。
     
    冷たい飲み物はさけて、なるべく暖かい服装をするようにしましょう。

    一日の終わりにゆっくりとお風呂に浸かるのも、体温を上昇させるには効果的です。

      
    ・貧血の改善

     
    鉄分が足りない状態である「貧血」が続くとヘモグロビンが作られなくなって、体中に酸素や栄養を運ぶ役目をきちんと果たせなくなってしまいます💦
     
    そうなると当然、卵巣に届けられるはずの酸素や栄養も足りなくなるので、卵子がきちんと育つことができなくなるのです。

    食事だけで十分な鉄分を取ることができない時は、サプリメントを利用して補うようにしましょう。
     
    妊娠力を向上・維持させるためのサプリメントは、こちらでも詳しく紹介しています!
    参考にしてください。

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    ・ストレス・飲酒・喫煙を避ける

     
    現代人特有の悩みともいえるストレスや過度の飲酒・喫煙も卵子の大敵です💦
     
    どれも卵巣の機能低下につながるので、上手に気分転換したりお酒の量を控えたりして、大事な卵子をまもりましょう!

     
    妊娠力を向上させるためのアドバイス(たばこ・飲酒)について詳しくは、こちらで紹介しています!
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    ・ミトコンドリアの数を増やす

     
    卵子の活動エネルギーはミトコンドリアがまかなっています
     
    またミトコンドリアはエネルギーを放出して細胞に刺激を与え、イキイキと成長させる力を持っています。
     
    なので、卵子の質を高めるには、ミトコンドリアの数を増やすことが大切なのです!

     
    ところが、数が足りないと必要とするエネルギー量も足りなくなってしまうので、卵子の老化に歯止めがかけにくくなってしまいます。
    ミトコンドリアは、規則正しい生活によって作られています。
    生活が乱れている人は、少しずつ生活習慣を改めていくようにしましょう。
     
    また、生活習慣や食事などを気を付けることができない忙しい人はサプリメントも活用しましょう!

     
    「ミトコンドリアを活性化して精子と卵子を若返りを期待する」について詳しくは、こちらで紹介しています!

    【精子と卵子の若返り】ミトコンドリアを活性化して妊娠へ!
    2017.5.28
    「精子・卵子の質がおとろえる!」って最近良く聞くけど、「質がおとろえる!」ってどういうこと⁉ しかも、年齢とともにおとろえていく!って💦 高齢出産が珍しくない時代に、「年齢とともにおとろえ…

     
     

     
    体外受精をするときに、
    「採卵したけれども受精卵ができず(精子と卵子が受精できず)、移植がキャンセル(胚移植できない)」
    という事がおこる可能性はありますよね。
     
    しかし、これは体外受精をうける方の身になってみると大きなストレスです。
     
    または、顕微(けんび)授精の適応にも当てはまらなくて、体外受精をしても受精できなかった場合は、どうでしょう⁉
     
    胚移植をあきらめないといけないのでしょうか? 
     

    そのような方、「レスキューICSI」をご存じですか?

    「レスキューICSI」とは、卵細胞質の中に精子を1コ人工的に入れて受精させる方法です。
    実際には、細い針のようなガラス管に精子を1コだけ吸引して卵細胞に刺し卵細胞質内に精子を注入します。(卵細胞精子注入法)
     
    この方法は、デメリットがありますが、「胚移植のキャンセル」最悪の事態はのがれることができますので、ちょっと紹介させていただきます。
     

     
    【メリット】
    このICSI(卵細胞質内精子注入法)は、1992年ベルギーで成功してから、精子が少なく受精できなかったケース・精子が透明帯を通過できなかったケースでは、強制的に受精をさせ、胚移植をすることで受精率も向上し、妊娠率も通常の体外受精と変わりないところまで技術は進歩してきました。
     
    【デメリット】
    自然妊娠にくらべて、出生児に先天的異常が多いという報告もあり、今後の追跡調査が必要です。
    そして顕微授精で出生した子供たちは、まだ生殖年齢に達してなくて、安心できないことも含んでいます。
     
    「レスキューICSI」の具体的方法

     
    採卵後3時間の前培養後に、卵子と精子をシャーレ上で6時間培養した後に「第二極体」を確認できないものは、精子が進入していないと判断します。
     
    そのような場合にレスキューICSIをおこないます。
     
    卵細胞質の中に精子を1コ人工的に入れて、受精卵(採卵より1日経過)へとみちびくのです。

     
    このレスキューICSIにより採卵から日数を送ることなく、通常の体外受精と同程度の時間経過で受精卵へとみちびくことができます。 
     
    そして、体外受精で「受精できなかった場合の胚移植のキャンセル」という事からのがれることができるのです。
     

    このように、このレスキューICSIについては、メリット、デメリットがあります
    なので、夫婦で病院から説明(インフォームドコンセント)をしてもらい、相談、納得することが必要ですね。

     

    体外受精や顕微授精では、女性の体から卵子を取り出して体外で精子と受精させ、その受精卵(胚)を培養して子宮内に戻します。
     
    これを「胚移植」といいます。
     
    このとき、採卵した周期内で受精卵の培養から胚移植までを行うのが「新鮮胚移植」です。
    一方で、培養した受精卵を凍結保存しておき、適切なタイミングで解凍(融解)し、子宮の中に入れるのが「凍結胚移植(凍結融解胚移植)」です。
     
    体外受精や顕微授精をするために、排卵誘発剤を使って卵巣を刺激して、複数の卵子を採卵します。
     
    そんなふうに卵巣を刺激していると、せっかく受精卵を培養できたとしても、卵巣が腫れている、ホルモンバランスが乱れている、子宮内膜の厚さが足りないなど、女性の体が妊娠しにくい状態になっていることがあります。

     

     
    凍結胚移植であれば、受精卵を一旦凍結して、「女性の体を妊娠しやすい状態に整えてから移植」することができるので、1回の移植あたりの妊娠率は新鮮胚移植と比べて高くなるというわけです。

     
    胚移植の着床率(妊娠率)は、胚の状態や女性の年齢、病院の技術力などの条件で左右されますが、日本産科婦人科学会のデータによると、新鮮胚移植による妊娠率が移植あたり約20%強であるのに対し、凍結胚移植は約35%です!

    体外受精にかかる日数はどのくらい?

    体外受精にかかる日数は、受精後に体外で培養するか、冷凍胚移植をするのかによって違ってきますが、一般的な体外受精の流れと日数を紹介していきます。

     
    まずは、生理の数日後からスタートし、「排卵採卵精子採取受精胚移植」という流れで進みます。
    また、体外受精にはきちんと成長した卵子の排卵が必要なため、女性の月経周期に合わせて治療のスケジュールが組まれます。
     
    1日目:排卵を抑える
    生理が始まった日から体外受精の治療を開始します。
    まず最初は点鼻薬を使い、適切なタイミングまで排卵がおこらないように抑えます。
     
    3〜10日目:卵胞を育てる
    排卵誘発剤を使用し、卵胞を成長させます。
    この期間は排卵を抑える点鼻薬の使用を継続して、十分に卵胞が成長するようにします。
     
    11日目:排卵を促す
    排卵を育てる期間では卵胞がきちんと育っているかを確認します。
    次に卵胞が十分に成長したとわかったら、hCG注射をおこなって成長した卵胞から卵子を排卵するように促します。
     
    12〜13日目: 採卵する
    排卵誘発剤を投与した後、卵胞を超音波検査でモニターし、約36時間後に卵子を採卵します。
    直接膣内に器具を入れて取り出すために麻酔をするのが一般的です。
     
    12〜13日目: 精子採取(採卵と同日
    精子の採取は、病院内か自宅にておこないます。
    射精をしてから2時間以内に専用器に入れた状態で病院へ渡します。
    精子はその後、遠心分離機にかけて質の高いものだけを選びます。
     
    13日目: 受精させる
    シャーレ(ペトリ皿)上で、精子と卵子を一緒にして受精するのを待ちます。
    3~12時間後には受精卵になります
     
    16日目: 胚移植する
    選別した受精卵を女性の子宮内に戻します。
    細いカテーテルを膣から入れますが、このときは痛みはなく、数分で終わります。
    移植後は数時間安静にする必要があります。
     
    また、胚盤胞移植では18日目くらいが目安になります
     
    受精から胚移植してその後数日間は着床をサポートするために、女性に黄体ホルモンの補充をおこないます。
    卵胞の状態などにもよってスケジュールは個人差もあるため、参考にしてください。
     
    ほかに、生理が始まる前から治療が始まるロング法という方法もあり、実際に体外受精を検討するときには、不妊治療をおこなっている産婦人科にスケジュールを相談しましょう。

    体外受精(IVF)にかかる費用は?


     
    排卵や採卵、胚移植でどの方法を選ぶかでも変わりますが、約10~100万円の費用がかかります。
    大きな金額になるので事前に費用についても確認しておきましょう。
     
    あくまで目安ですが、各内容の費用を参考にご紹介します。
    ● 体外受精(採卵・胚移植含む):300,000円
    ● 培養:20,000円
    ● 胚凍結(4~5個):100,000円
    ● 凍結胚移植:100,000円
     
    1回の体外受精で成功する場合と、体外受精を何回かおこなうといった場合でも金額は大きくちがってくるため、夫婦でよく相談し、選んだ病院やクリニックの医師ともしっかり計画を立てましょう。
     
    また、自治体によっては助成金が設けられ、不妊治療の費用の一部を負担してもらえる場合もあるので、自治体のホームページも確認してみてください。

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