認知症は高齢者の病気と思われがちですが、なかには若くして発症する認知症もあります。

    そのひとつが、「頭部外傷性認知症(とうぶがいしょうせいにんちしょう)」です。
     
    頭部外傷性認知症は、外傷が原因なので、年齢に関わらず起こる可能性があるのです!
     
    外傷と言うと「頭に傷が出来て、出血して・・・」という感じのイメージが浮かぶかもしれません。
     
    ところが!
    そんな傷が見当たらない場合でも、「数ヵ月後に症状が出始める」
    なんてことも、あるのです💦
     
    つまり、頭を打ったときにはこれといった症状はないのに、3週間~3ヶ月後に認知症を思わせるような症状が出てくるのです。

    特に、高齢者の方々は運動機能や筋力が低下しています

     
    なので、ちょっとした段差につまづいたり、バランスを崩したときに踏ん張りきれなかったり、転びそうになったときに受身を取ることが出来なかったりと、若い人よりもリスクは高くなっているのです💦
     
    そんなふうに、誰におこってもおかしくない「認知症」。
    今回は、「頭部外傷」によっておこることもある「認知症」について紹介していきたいと思います。

    「認知症」の原因となる頭部外傷について


     
    アルツハイマー型認知症など、脳細胞の変性によって起こる認知症は、ゆっくり進行するのが特徴です。

    ところが、2~3ヶ月の間に急に進行して歩けなくなったり、尿を失禁したりしてしまう認知症があります。

     
    これは、頭をぶつけたり転んだりした時の「頭部外傷」による認知症
    治療をすると良くなる「慢性硬膜下血種」という病気の可能性があります。

     
    「慢性硬膜下血種」について詳しくはこちらで紹介しています!

    【頭部外傷の基礎知識Ⅱ】一次性脳損傷(頭蓋骨骨折・脳挫傷・血腫など)の症状・治療・予後
    2017.10.9
    頭を打って「たんこぶ」ができた!なんて経験はありませんか?   誰だって一度くらいありますよね。   誰もが、そのくらいの経験はしますが、「頭部外傷」っていう言葉になるとあまり身近でない感じが…

    頭部外傷が認知症の原因となる「頭部外傷性認知症」とは?


     
    先ほどもお話しした「慢性硬膜下血種」は、脳の圧迫による認知症です。
     

     
    本人が、頭をぶつけたり転んだりした事を忘れているくらい軽い衝撃でも、出血が少しずつ頭蓋骨の中に溜まって、やがて脳の形が変形するくらいになります。

     
    そうなると
    ・いつの間にか歩くときにふらつくようになったり、歩けなったりする。  
     
    と伴に!
     
    ・言葉が出にくくなる
     
    ・尿失禁
    などと「認知症の症状」が出てくるのです。
     

    脳細胞の破壊で起こる認知症「高次脳機能障害」


     
     
    交通事故などにより、脳細胞の破壊で起こる認知症には、「高次脳機能障害」があります。

     
    高次脳機能障害は、事故などの受傷後に、身体が回復してから起きることがあります!


    外傷としては日常生活に支障がない程度に回復しても、気分のムラが激しかったり仕事を続けることができなくなったりする障害です。
     
    「高次脳機能障害」の症状などについて、詳しくはこちらで紹介しています!
    【頭部外傷の基礎知識Ⅳ】外傷性脳損傷の後遺症・リハビリテーション
    2017.10.12
    「頭部に受けた外傷」で脳が損傷することを外傷性脳損傷といいます。 その外傷性脳損傷の「20%に中等度以上の脳機能障害残る」ということなのです!   しかも、その「脳機能障害」をおってしまうと普通…

     


     
    また、慢性硬膜下血腫は、徘徊(はいかい)による「転倒」によっても起こります。
     

     
    「アルツハイマー型認知症」の人でも、2~3ヶ月で急に症状が進んだと思ったら、脳神経外科を受診してみましょう

    脳の外傷が原因となっておこる「認知症の症状」


     
    次に、労働災害、不慮の事故、スポーツ中の事故と続きます。
    青少年層の死亡原因は、脳外傷によるケースが増えてきています。
    脳外傷が原因となる認知症の症状は、脳が受けた障害の大きさによって違ってきます。

    比較的軽度の障害の場合

    軽度の障害の場合には

     
     ・一過性の意識消失、健忘
     ・吐き気
     ・頭痛
     ・嘔吐

     
    などの症状が見られます。
    障害の程度が軽い場合を「脳震とう」と呼びます。

    脳震とう(のうしんとう)の場合、出血や目立つ傷がなければ安静を保つことで回復することができます。
     

    重度の障害の場合

    障害の程度が重い場合には

     
     ・意識が戻らない、意識不明
     ・脳組織の破壊
     ・脳内外の出血

     
    などが起こります。
    特に出血がある場合には神経障害が現われる場合があります。

     
    高齢者が脳外傷を受けた場合、特に気をつけなければならないことがあります。
    頭部の外傷から数週間~数ヶ月の後に、じわじわと出血した血液が頭蓋骨のすぐ内側にたまり、血液の塊(血腫)ができる場合があります。
     
    この状態は「慢性硬膜下血腫」と呼ばれ、血腫の大きさによっては

     
     ・頭痛
     ・手足のしびれ
     ・歩行障害
     ・思考力低下

     
    が起こります。
    さらに、認知症の症状が現われることもあります。

     

    「認知症」をおこすと考えられる原因疾患と割合

     
    なので《 アルツハイマー病 = 認知症 》というわけではありません。
    アルツハイマー病とは、あくまで痴呆症を引き起こす1つのタイプ(原因疾患)ということですね。
     
    現在、認知症を引き起こすと考えられている原因疾患は、分かっているだけでも50種類を超えます💦

    実は〝アルツハイマー型痴呆症〟〝脳血管性痴呆症〟そして〝レビー小体型痴呆症〟の3タイプだけで、痴呆患者全体の約9割を占めているというのが現状です。
     
    つまり、大半の認知症患者さんは、この3タイプ(アルツハイマー型痴呆症と脳血管性痴呆症の混合型も含む)のうち、いずれかに属するわけです。

    したがって、患者数という観点からみると、「頭部外傷性認知症患者」は、それほど多くありません。

    全体の約2~3%ともいわれています!

     

    全体の約2~3%といえば、とても少ないように思いますよね。
    ですが、この認知症は、若い人でもなる可能性があります。
     
    20歳であろうが、何歳であろうが、関係がないんです💦
    もしも、働き盛りで家族を支えている「一家の大黒柱のお父さん」が急になったとしたら?
    すごく困りますよね💦

     

    頭部外傷後の治療・後遺症


     
    頭部外傷の後遺症は、軽症であれば特に何もなく回復します。手
    しかし、足の麻痺、言葉の障害だけではなく記憶、やる気、感情という高次機能障害が残ってしまうこともあります💦
     

     
    この外傷性疾患をキッカケとした認知症は、「頭部外傷性痴呆」を引き起こしている原因によっては、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症とは違って、「その原因を取り除いてやる」ことで症状が改善(あるいは抑制)するケースも多いのです!

     

    なので、症状が悪化しないうちに早めに専門医に相談することが大切ですね。
     


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