頭を打って吐いている!
    あなたならそんなとき、どのように対応しますか?

    頭部打撲の色々

    皆さんが使う「たんこぶ」って言葉を医学用語に置きかえると「皮下血腫(ひかけっしゅ)」という、とても難しい言葉になります。
     
    逆に、明らかな頭部の損傷はない代わりに「受傷時の記憶が失われてしまう意識障害」は、脳震盪(のうしんとう)です。
    そのほか、硬膜下血腫や頭蓋内出血、脳挫傷(のうざしょう)など重大な損傷となるものも、「頭部打撲・頭部外傷」です。
     
    頭のなかには脳があり、頭部の打撲は気にしがちですが、「一過性の症状」だけで問題なく経過する場合がほとんどです。
    頭を打ったからと言って、それだけで過度に心配する必要はありません。
     

    ですが、注意が必要なものもあります!

     

    意識や反応、出血や皮下出血の状況から脳の損傷が疑われることもあるので、医療機関の受診が必要となる場合もあります
     
    なので、ここでは「どのようなものに注意が必要なのか⁉」「自分で出来る応急手当はあるか⁉」など頭を打ってしまったときの応急手当と注意症状などを見ていきたいと思います。

    対処法


     
    頭部の打撲は「たんこぶ」から「脳挫傷」まで色々あります。
    意識や反応出血や皮下出血の状況から脳の損傷が疑われることもあり、医療機関の受診が必要となる場合もあります。

    意識障害の可能性


     

     
    ・頭を打ったあと、返事をしても、すぐに眠り込んでしまった
    ・呼び掛けても反応が鈍くなってきた

     

    こんなときには、脳の損傷が考えられます!

    15分経っても正常な状態に戻らないときには、すみやかに医療機関を受診しましょう!
    正常に戻ったとしても、24時間は注意して観察しましょう
    そのあいだに「いつもと違う」ことが出てくるようなら、医療機関の受診をお勧めします。

    瞳孔のチェック


     
    正常な状態では左右の瞳は同じ大きさで、光が当たると小さくなります
     
    もしも!
     

     
    ・左右の大きさがバラバラ
    ・光を当てても小さくなる反応が起こらない

     
    このようなときには、脳がなんらかの障害を受けていたり、頭蓋内で出血している可能性が高いです
    速やかに医療機関を受診しましょう!

    姿勢の異常・麻痺・けいれんのチェック


     

     
    ・両方の腕や脚を反らせている
    ・体の片側の動きが悪い
    ・けいれんを起こした

    このようなときなども、頭蓋内出血脳の損傷が疑われます。
    また意識があっても手足が動かないときには、首の後ろにある頸髄(けいずい)の損傷の可能性があります。
    速やかに医療機関を受診しましょう!

    顔面・耳や鼻からの出血

    鼻や耳からの出血がみられたとき、目のまわりや耳の後ろに皮下出血が認められたときは、頭蓋底の骨折が疑われます。
     
    ガーゼや脱脂綿、ティッシュなどをつめて止血してはいけません。
    血液が流れてもそのままで、タオルなどで血をぬぐいながら医療機関を受診してください。

    頭からの出血

    頭皮からの出血というのは、出血量が多めであわててしまいがちですが、成人では頭皮からの出血だけで命に関わることはまずないので、あわてずに清潔なハンカチやタオルを傷口に当て、圧迫止血(あっぱくしけつ)を行います。
     
    出血がほぼ止まったように見えても、傷の深さや大きさは髪の毛でおおわれているためわかりにくいので、流れるほどの出血があった時は脳神経外科を受診したほうがよいでしょう。
     
    乳幼児や高齢者で出血が多いと命に関わることがあるので、傷に当てたハンカチやタオルに出血が広がってくるようなら、すぐに救急車を呼びましょう!

    頭部打撲(出血なし)の場合は頸椎損傷の確認を!

     意識がはっきりしていて出血もなければ、頸椎に損傷がないことを確認します。

     
    (1)両手足に力が入るか⁉
    (2)両手足にしびれがないか⁉
    (3)首の後ろを触っても痛がらないか⁉

     
    3つとも問題がなければ、けが人を静かに動かして寝かせ、様子を観察します。
    ただし、ひとつでも異常がある時やけが人がこれらの質問にはっきりと答えられない時は、けが人を動かさずにすぐに救急車を呼びます。
     
    様子の観察は最低3時間、それ以後は症状によりますが通常は24時間行います。
    高齢者や、血を固まりにくくする薬を医師から処方されている場合は、2~3日間注意が必要なこともあります。
     
    頭をぶつけただけでも(とくに幼児は)吐きやすくなるので、食事はひかえめにします。
     
    当日の入浴はなるべく避けてください!

     
    受傷の翌日、とくにいつもと変わりなく、食事もできて嘔吐もなければ、まず今回の頭部外傷については心配ありません。
    ただし、中高齢者(おおむね50~60歳以上)は慢性硬膜下血腫(こうまくかけっしゅ)の可能性がまれにあるので注意が必要です。
     
    慢性硬膜下血腫について詳しくはこちらで紹介しています!

    【頭部外傷の基礎知識Ⅱ】一次性脳損傷(頭蓋骨骨折・脳挫傷・血腫など)の症状・治療・予後
    2017.10.9
    頭を打って「たんこぶ」ができた!なんて経験はありませんか?   誰だって一度くらいありますよね。   誰もが、そのくらいの経験はしますが、「頭部外傷」っていう言葉になるとあまり身近でない感じが…

    墜落事故や水泳の飛び込みで頭を強打したとき

    首の骨の頸椎(けいつい)を損傷している可能性があり、頭や首を動かさないようにして、そのままの状態で救急隊を待ちましょう!

    脳の損傷が疑われる場合

     
    まず、けが人の意識を確かめましょう!

    大声で呼んでも眼を開けず会話することができなければ、意識がないと判断して脳の損傷を疑います
    この様な時は、絶対に大きく体を揺さぶってはいけません
     
    乳幼児で激しく泣いている場合は、意識があると考えてよいでしょう。
     
    このほか注意すること

     
    ・何回も吐く
    ・けいれん発作(手足をがくがく動かす、あるいは手足をピーンと突っ張り、この間は呼びかけても反応がない)

    このような事が、起こった時も脳の損傷を疑います。

    脳の損傷が疑われた場合はすぐに救急車を呼びましょうね!

     

    その他の注意点!

     
    ・交通事故などの場合は、次にけが人に危険が及ばないように道路上の安全を確保します。
     
    ・頭部外傷では首の骨の頸椎(けいつい)も損傷していることがあるので、けが人は、けがをした場所から不用意に動かさないようにします。
     
    ・もしも、けが人が吐いたら、すぐに顔を横に向けて、吐物がのどに詰まって窒息しないようにします

    安静を保つ方法

    呼吸が正常であれば「回復体位」をとり、首を曲げず、頭を少し高くして安静にさせます。

    回復体位とは…

    いわゆる「横向き寝」です!

     

    のどの奥を広げて、空気の通り道を確保する「気道確保」が最重要視されています。

    「気道確保」の方法

     
    1.傷病者の顔の横にひざまずく。
     
    2.向かって頭側の手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指先をあごの先端(骨のある硬い部分)にあてる
     
    3.あごの下の軟らかい部分を指で圧迫しないよう注意しながら、あご先を持ち上げ、顔がのけぞるような姿勢にする

     
    ・呼び掛けても反応がない
    ・痛みにも反応していない
    このようなときには、気道確保をしたうえで、呼吸の状態を確認し、息をしていなければ「心肺蘇生」の開始しましょう!

    日本における成人への心肺蘇生の実施例(JRC ガイドライン2015)

     
    1. 安全を確認
    二次災害を防ぐため、まず周囲の安全を確認する。
     
    2. 意識の確認
    意識の有無を確認する(両手で両肩を叩きながら、相手の耳元で「大丈夫ですか!?」と呼びかける
    また、証明書類などから名前がわかっている場合には、「○○さん、大丈夫ですか!?」と呼びかけると、より効果的。
     
    3.応援を呼ぶ
    119番に通報。
    訓練を受けていない人は、その場で自分で携帯から119番通報をすれば、何を確認してどうすればよいかのアドバイスが得られる。
    そのアドバイスの中にAEDの手配、及び以下の心肺蘇生法のやり方が含まれる。
     
    極力まわりの人を巻き込む。
    例えばAEDを取りに行ってもらう、119番通報した際に電話を切らずに指示を仰ぐ(電話口で通信指令員に相談する)。
     
    4. 呼吸の確認
    見た範囲で規則的で正常な呼吸をしているか。
    呼吸していれば回復体位。
     
    判別不能、不自然な呼吸、または10秒以内に確認できなければ「呼吸無し」として扱う。
    不自然な呼吸、例えばしゃくりあげるようなゆっくりとした不規則な呼吸は「死戦期呼吸」といい、心停止(心室細動)直後数分の間に約半数の人に起きる。
     

    これを「呼吸有り」と安心してしまうと大切な救命のチャンスを逃してしまう。
    呼吸の確認に迷ったらすぐに胸骨圧迫をする。
     

    出来る人は、30回の心臓マッサージと2回の人工呼吸のサイクル(30:2)を5回繰り返す。
    5サイクルごとに実施者を交代するのが望ましいと言われています。

     
    5. 心臓マッサージ(胸骨圧迫)
    胸の真ん中に、他方の手をその手の上に重ねる。(両手の指を交互に組んでも良い)
    肘をまっすぐに伸ばして体重をかけ、強く(胸が4~5cm 程度沈むまで)垂直に圧迫する。
     
    ※注意するところ
    速く(1分間に約100 回のテンポで)
    絶え間なく(30回連続)
    斜めに圧迫しない。
    肘を曲げて圧迫しない。
    床面が固く平らなところで行う。

     
    6. 気道確保
    仰向けに寝かせた状態で片方の手で額を押さえ、もう片方の人差し指と中指で顎を上に持ち上げる(頭部後屈顎先挙上法)ことにより行う。
    口の中に異物があれば除去する。

     
    7. 人工呼吸
    鼻を押さえ胸部がふくらむよう息を約1秒吹き込む。
     
    この際、感染病防止の観点から専用のポケットマスク等を患者の口に取り付ける。
    人工呼吸を行う間隔は胸骨圧迫30回毎に2回が目安。ただしこのための胸骨圧迫の中断は10秒以内とする。
     
    8. AEDによる除細動

    心肺蘇生続行と中止の判断


     
    傷病者に普段どおりの呼吸や、目的のある仕草、呼びかけに対する反応が見られた場合は、心肺蘇生をいったん中断(判断に迷う場合は続行)し、注意深く様子を見守りながら救急隊の到着を待ちましょう!

    “頭部外傷後”の注意することのまとめ


     
    頭を打った時には,脳にいろいろな変化が起こります。
     
    とくに頭蓋骨(あたまの骨)の内側に出血が起ると生命に危険をおよぼすことが多いので注意が必要です。

     
    このような頭蓋内出血(あたまの中の出血)の症状は,頭を打った後すぐ起ることも,1~2日,ときには数日たってから起ることも,またずっとおくれて時には数ケ月も経ってから起って来ることもあります。

    ですから現在何も症状がなくても,十分注意しなければなりません。
     
    頭を打ったのち,元気だった人が急に死亡したりすることがあるのはこのような頭蓋内出血のためです。
     
    この頭蓋内出血は,頭蓋骨骨折(あたまの骨折)とはかならずしも関係しませんから,頭の骨に異常がないからといって安心はできません

     

    つぎにかいた注意をよく読んでください。

     

     
    そして手おくれにならないように連絡していただくか,専門の病院へ運ぶことがとても重要です。
    つぎのどれかがあるか,またはうたがわしいと思われる時にはすぐに専門医に!

     
    ・頭痛(あたまいた)がだんだん強くなる時
    ・吐き気やおう吐(食べたものを吐いたり,何も食べないのに物を吐く)が何回も起る時
    ・ぼんやりしてくる時、あるいはほっておくとすぐねむってしまい起こしてもなかなか起きない時
    ・視力(物を見る力)がよわくなったり,物が2重に見えたりする時
    ・手足が動きにくくなったり,しびれたりする時
    ・けいれん(ひきつけ)が起る時
    ・熱がどんどん高くなる時

     
    小さい子供さんは,相当強く頭を打った時でも症状が出にくいことが多いのでたとえ元気にしていても1~2日は目をはなさないことが大切です。
     
    あたまを打ったのち少なくとも2~3日は安静を保ち,1人で外出したりしないよう注意して下さい。
     
    また、病院へ患者さんを運ぶ時には,できるだけ振動の少ない乗物で短時間に運ぶようにして下さいね。

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